全国商工会連合会は11月30日、「小規模企業景気動向調査〜2021年10月期調査」を発表した。調査は全国約300商工会の経営指導員を対象に、調査票への記入式で行われた。
全産業では9月と比較して「大幅な回復が見られた」が、「仕入れ価格の高騰などによって不安が残る業況」としている。売上額と業況の景気動向指数は10ポイントを超える改善を見せており、緊急事態宣言が全面解除になったことで経済が動き始め、徐々に活気が戻ることを期待する声が寄せられた。一方で、原油価格の高騰やコロナ関連融資の据置期間が終了し、「資金繰りに苦しむ事業者への支援が最優先という声も目立った」。
小売業は「大幅な回復も、仕入れ価格の上昇や需要の低迷で、厳しい状況が続く」としている。売上額と業況の景気動向指数は共に10ポイントを超える大幅改善となった。売上額は低迷しているものの9月と比較して14・7%、採算や資金繰りでも改善が見られた。
繊維関連では、メーカーは「受注回復傾向も外注、取引先の廃業等により、コロナ禍前に戻ることが難しい状況にあるという見方があった」という。また、小売業では「回復基調にあるが、一昨年に比べて大幅に落ち込んでいるという声が目立った」としている。