気温変動にも対応できる商品揃う

 横山町問屋街では冬物衣料が順調に動き出している。各社とも気温の降下を見据えたジャケットやコート、セーター、防寒性のあるパンツなどを売り場に充実させている。特に今年はコーディネイトを意識した提案が目立つ。ジャケットに合わせるセーターやカットソーなどを意識的に品揃えしている。冬商戦に向けて十分な準備をして臨みたい。

コーディネイト提案増える

 冬の主役はやはりジャケットやコートのアウターだ。単価の取れる商品で、寒さが本格化すれば確実に売り上げが期待できる。

 幅広いアイテムを扱っている問屋で強化しているのがコーディネイト提案だ。

 宮入(6ページ、横山町6の18)はこの9月、売り場を大きく再編集し、来店客の利便性を高めた。特に大きく変わったのは店頭でコーディネイト提案を打ち出したことだ。1階と2階から商品をピックアップしてスタイリングとして見せる。例えばハイネックのセーターにコーデュロイのワイドパンツ、そこにウール調のジャケットを羽織らせる。店頭を訪れる専門店が実際に触れて、商品を見ている姿が多く見られるようになった。

 都繊維ファッションシティ(5ページ、横山町10の14)はイタリアからのインポートと自社ブランド「Kavach(カバチ)」で特にコーディネートを強く打ち出した。大胆な花柄のワンピースに、大きな衿で、毛足の長いファージャケットをを羽織らせる。イタリア製品らしいちょっと派手めな組み合わせが魅力的だ。カバチではボトルネックニットにラビットと生地の切り替えベストとヘリンボーン柄のワイドパンツを合わせた。

 このほか、トーヨー(3ページ、横山町6の13)はワンピースなどに気軽に羽織れるケープやフェイクファーベストをコーディネイトアイテムとして提案する。季節の変わり目には重宝しそうな商品だ。

肌触りの良いニット揃う

 トップスはカーディガンやセーターが充実している。各社とも上質な素材のアイテムをリーズナブルな価格で提供する。

 カーディガンやジャケットが得意のニューいちやま(4ページ、横山町8の14)はカーディガンジャケットが好調な売れ行きを見せている。「すでに追加が入った」と、肌触りの良い素材と仕立ての良さが専門店に評価されている。

 アクロス(4ページ、横山町6の15)のイチオシは「縦ジルコンニット」。シンプルなデザインで、肌触りが良く、ジャケットのインナーとしても使い勝手が良い商品だ。

 宮入1階は素材にこだわった商品が目立つ。アンゴラ混やアルパカ混などのカーディガンやセーターをリーズナブルな価格で提供している。また、2階のアウターはエコファーやボアと中綿など、異素材を組み合わせた商品が好調だ。

 杉田商店(5ページ、横山町5の6)の多配色のニットカーディガンは裏起毛の暖か素材が特徴で、「売り場に並べてすぐに売れた」としている。

素材と機能打ち出すパンツが動き始めた

 冬物パンツでは幅広い素材と機能の商品が出揃った。

 丸田産業東京支店(3ページ、横山町2の3)は今年の新商品で、テキスタイル産地として知られる尾州のヘリンボーンを使ったパンツを投入した。毛玉ができにくく、シワになりにくいのが特徴で、素材の良さとデザインで売上げアップを狙っている。

 宮入2階(6ページ)のダウンパンツは今年、撥水加工を施してシミや汚れに強い機能を打ち出した。毎年の売れ筋に新しい機能が加わった。

 冬商戦はもうすぐに始まる。自店に合った商品の十分な品揃えと顧客に響く提案で売上げを伸ばしていきたいものだ。