西沢郷横山町奉仕会会長(トーヨー社長)は7月11〜15日、中国上海で開かれた展示会「第31回華東進出口商品交易會(イースト・チャイナ・フェア2023)」と中国製衣料品の仕入れ市場を視察した。コロナ禍では日本企業は、一部の商社を除けばインターネットで仕入れるしかなかったが、約4年ぶりの渡中で、中国の衣料工場の能力や商品の質などを確認した。この間、特に仕入れ市場には日本の衣料専門店や卸は訪れておらず、コロナ後で訪れたのは奉仕会が初めてだという。
中国東側の2000社が出展
上海新国際博覧センターは上海空港からのアクセスも良く、アジア最大級の見本市会場として建設されました。東京ビッグサイトがいくつも入るような、膨大な展示スペースを持っており、上海モーターショーなどが開かれる会場として知られています。私は初めて訪れましたが、会場の規模の大きさにまず驚かされました。
今回訪れた「華東進出口商品交易會」は、浙江省や福建省など中国の東側エリアの工場が主な出展者で、衣料、生活用品など約2000社が出展していました。
会場では日本のアパレル企業やバイヤーに対して積極的な姿勢が伺えました。訪れたあるブースでは「日本の企業は私たちにとっても重要。日本企業とのビジネスを積極的に広げていきたい」と話していました。日本語が話せる通訳を置いているブースも多く、また会場の看板は日本語での表記もありました。入場パスなどはQRココードを読み取り、日本語のガイドに従って進めば簡単に手に入れることができました。
私は初日のオープン直後に会場に到着し、ほぼ1日をかけて視察しましたが、日本人バイヤーの姿を見ることはありませんでした。ビザの関係で、以前のように気軽に中国を訪れる環境ではないようです。
ブースで話を聞くと、中には「1000〜2000枚でも引き受ける」という工場もありました。通常、中国の工場は日本のロット数では受注しませんが、これくらいの枚数であれば、日本のアパレルにも可能ですし、数社が共同で発注することもできそうです。新しい商品はあまりありませんでしたが、デザインや素材を指定して発注すれば、日本市場に合った商品を作ることもできるでしょう。
コロナ以降、奉仕会が初めて
上海の市場は「七浦路服飾商業街」などが知られていますが、私が訪れたのは「義烏国際商貿城」という市場です。コロナ前は日本の専門店や卸がたくさん訪れて商品を仕入れ、日本で販売していました。横山町の問屋も毎シーズン買い付けていたものです。
それがコロナ禍で大きく変わりました。
中国でコロナが発生して以降、そしてここにきて渡航が再開されてもいまだに日本からのバイヤーは訪れていないということです。「横山町奉仕会がコロナ以降で初めての日本人バイヤーだ」と聞いて驚きました。コロナ禍では中国にエージェントがいる企業はインターネットで発注していました。エージェントを持たない企業でも工場や卸と直接交渉して仕入れていましたが、渡航が可能になってもいまだ仕入れに訪れていない。いち早く仕入れ市場を訪れたことが横山町奉仕会の優位性になるのではないかと思います。
実物見て、自信を持ってお薦めする
今回、久しぶりに訪れて実感したのは、やはり、足を運び、実際に商品を手に取って仕入れることの重要性です。取引先から見せられる商品以外に、日本市場の専門店の皆様に薦めたい商品がたくさんあることを改めて感じました。
市場では冬物のコートやジャケットを中心に見て回りましたが、ウールやダウンなどで新しいデザインの商品があました。日本の市場でもリーズナブルな価格で販売できそうです。横山町で仕入れられる専門店の皆様には期待していただきたいと思っています。コロナを経て、ビジネスは次第に元に戻りつつあります。これからも皆様のお力になれるよう、頑張っていきます。