景気ウォッチャー調査(内閣府)
内閣府は6月10日、5月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表した。景気ウォッチャー調査は、景気の動向を示す指標のひとつで、北海道や東北、北関東、南関東、甲信越など全国の12地域を対象に、百貨店やスーパーマーケットなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューして集計・分析している。景気の現状判断DI、先行き判断DIを発表するもので、DIの数値は50が横ばいを表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる人が多いことを示す。
今回の調査結果では、景気の現状判断DIと先行き判断DIがともに低下した。現状判断DIは前月から1・7ポイントの低下で45・7と、3カ月連続の低下となった。現状判断DIの中では家計動向関連の小売関連が1・4ポイントの低下で43・7、飲食関連やサービス関連も低下している。企業動向関連では非製造業が1・5ポイントの低下で50・1だった。
景気の先行き判断DIでは全体は2・2ポイント低下の46・3、小売関連は3・4ポイント低下の44・8、企業関連では非製造業が0・3ポイント低下の48・7。内閣府は「景気は、緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる。先行きについては、価格上昇の影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くと見ている」としているが、物価上昇や消費の冷え込みもあり、景気回復の実感は薄い。
特徴的な判断理由を見ると、「外国人旅行者が増加し、宴会もコロナ前に戻った」(都市型ホテル)、「ゴールデンウィークに家族連れが多く来店した。母の日ギフトが好調」(百貨店)とする一方で、「電気料金の高騰などにより、生活必需品以外の販売量が減少している。買い上げ点数の減少が顕著」(コンビニ)や「天候不順による野菜の高騰は影響が大きい。仕入れを躊躇せざるを得ない状況に追い込まれている」(スーパーマーケット)、「何度目かの原材料の値上げの要請が来ている。、価格の改定が追いつかない」(食料品製造業)などの意見があった。