ここ数年、春物と秋物の販売期間が短くなり、今年も「残暑が長引く」という見方が強い。とはいえ、夏物の展開を引き伸ばしたからといって、売れるものではない。実際、横山町ではすでに秋物が動き始めている。秋物の準備を怠らず、販売チャンスを逃さないことが大事だ。
8月に秋物動き出す
横山町の大手、丸太屋(東日本橋2の26の8)と宮入(横山町6の18)は7月に秋冬物展示会を開催したが、「暑い時期にも関わらず、少しずつ注文をいただいている」と口を揃える。
丸太屋(5頁)はワンピースやジャンパースカート、ロングブラウスなどの動きがいい。「この夏も好調だった」と、秋物ではデニムやニットなどの秋らしい素材とカラーの商品を提案する。刺繍使いのロングプラウスは薄手のコート感覚で着こなすことができる。
宮入(3頁)はカットソーとベストやカーディガンのコーディネイトを打ち出す。「1枚上に着るだけで秋を感じさせるアイテム」は、気温が高くても、薄手のカットソーなどと組み合わせた秋らしい装いで、単価アップも期待できる。
各社とも個性豊か
問屋各社はそれぞれ店頭を差別化できる独自の商品を揃えた。
ニューいちやま(横山町8の14、2頁)は得意のブラウスジャケットがイチオシだ。転写風プリントは同社のオリジナル商品の新作で、上質な生地を使い、縫製にこだわった。
婦人服製造卸のレディスほりかわ(大阪)が出店するザ・センバ3(横山町8の15、2頁)はニットアイテムを充実させた。特にニットワンピースは例年の人気アイテムだ。
アクロス(横山町6の15、3頁)は定番のアンサンブルがこの秋も充実した品揃え。中でも花柄のフロッキープリントはパイピングにストーンを施すなど、エレガントな装いを提案する。
都繊維ファッションシティ(横山町10の14、5頁)は、インポートと自社ブランド「KAVACH(カバチ)」で個性的なシャツやジャケットとワイドパンツやカーゴスカートの組み合わせを提案。ファッショナブルでインパクトのある秋コーデだ。
トーヨー(横山町6の13、4頁)はチュニックやカットソーなどを充実する。売れ筋のプリントで、9月中旬から新作が次々と入荷する予定だ。
楽しく店頭演出
パンツや服飾雑貨なども衣料のコーディネイト提案には欠かせない。店頭に取り入れて欲しいアイテムだ。
パンツ専門卸の丸田産業東京支店(横山町2の3、4頁)は今秋も新作を投入する。カットベロアプリーツワイドパンツは柔らかい素材で、動きのあるプリーツ加工が特徴だ。ジョーゼットのパンツは独特の質感が新しい。このほか、丸太屋や宮入も定番をはじめとしてパンツを充実させている。 雑貨では丹波屋(横山町7の17、6頁)がおよそ10年ぶりにインポート商品を仕入れた。フランス直輸入のマフラーで、多彩な素材と色柄の商品を提案する。
秋物販売のピークに備えて、例年の売れ筋商品や期待できる新商品を早めに仕入れる動きが活発化している。ヒット商品が出にくい状況の中で、販売につながる商品を見つけ出し、確実に確保していきたいものだ。