第2波といわれた新型コロナの感染拡大も徐々にではあるが感染者の減少が見られるようになってきた。東京では飲食店の営業時間短縮要請が解除され、9月19〜22日のシルバーウィークには観光地に多くの人が訪れた。秋冬商戦はまだ始まったばかり。新型コロナはまだまだ予断を許さないが、ここで着実に売り上げを伸ばしていきたいところだ。

近隣地域で買い物

 ファッション衣料の売り上げはいまだに対前年を下回っているが、大都市圏と地方で回復のスピードに大きな差があるようだ。

 信用情報によると、都内百貨店の衣料品売り上げはこの7月、全体は対前年比61・2%で、紳士服が66・7%、婦人服が59・1%、子供服が59・4%となっている。一方、都心店舗と関東地区の郊外店舗を比較してみると、伊勢丹は、新宿本店は72・0%だが浦和店は87・0%。小田急百貨店は、新宿店は62・3%だが町田店は88・9%。丸広百貨店は92・1%、水戸京成百貨店は93・4%だ。都心まで出かけてのショッピングには抵抗はあるものの、地方や郊外の百貨店は健闘している。特に高齢者層は電車に乗っての移動も控えるなど、地域での購買が主流になっている。

 新型コロナの感染拡大が明らかに減少してこない限り、秋冬商戦に向けてもこの傾向はしばらく続く。だからこそ地域に根差す専門店にはチャンスがある。顧客の望む商品をいかに店頭で表現するか、大型店にはない魅力を備えることが重要だ。

秋冬物に活気

 東京都では飲食店の営業時間短縮要請が解除され、イベントの来場者数制限が緩和される。最近では感染拡大防止策を講じてファッションの展示会なども少しずつ開かれるようになってきた。この9月は4連休に向けて横山町問屋街で仕入れる専門店の姿が増えた。秋冬商戦に期待し、問屋街には活気が戻りつつある。

 「Go  Toトラベルキャンペーン」が東京発着まで拡大され、観光目的の移動はこれから増えていきそうな気配だ。「お出かけ」はファッションにとって大事なオケージョン。アウターの需要は確実に伸びていく。東京で仕入れるときにもキャンペーンを利用すれば、経費を抑えて横山町で仕入れることができる。

 ポイントはいかに顧客とコミュニケーションを厚くして、何を計画しているか、そしてどんな商品を望んでいるかを知ることだ。何気ない会話から旅行の計画などを知ることができれば、顧客が望む商品を横山町問屋街で見つけ出すことができるはずだ