日本橋法人会は8月9日、同会研修室で「インボイス準備セミナー」を開いた。免税事業者と新規開業者が対象。インボイス制度(適格請求書等保存方式)は仕入税額控除の方式で、売手は買手にインボイスを交付し、買手はインボイスを保存して仕入税額控除を適用できる。日本橋税務署・法人課税2部門の担当官が、その要点を消費税の基本的な仕組みから解説した。
これまで課税事業者は売上げの消費税額を納めていたが、制度開始後は「売上げの消費税額(売上税額)-仕入れや経費の消費税額(仕入税額)」が納付税額となる。この売上税額から仕入税額を差し引く計算が仕入税額控除。納付税額は売上げの10%ではなく、仕入税額控除後の金額であることを強調した。売手がインボイスの登録をしないと、買手にインボイスを発行できず、買手は仕入税額控除ができなくなるが、制度開始から6年間は2段階の経過措置が設けられる(一定要件あり)。令和8年9月までは80%、令和8年10月~令和11年9月は50%の控除が可能で、その後は売上税額=納付税額になる。
インボイス登録を受けた場合、インボイスを交付でき、課税事業者として消費税の申告が必要になる。登録を受けない場合は、インボイスを交付できないが、課税事業者になる必要はない。登録の判断には、売上先が消費者や免税事業者などインボイスを必要としない先もある一方、仕入税額控除のためにインボイスの交付が必要な課税事業者もあることを確認・検討すること、取引先と取引条件の見直しを相談・検討することを勧めた。この他、免税事業者の登録申請手続きの流れや、インボイスの作り方も紹介した。